【もくじ】
第1章 私の国際協力事業
1.国際協力活動の原点
国際協力事業の魅力を教えてくれた井口淳さん/ネパール盲人福祉協会に足踏み式点字製版機を寄贈/点字教科書で勉強した全盲学生 400 人が教師に/日本点字図書館が、アジア盲人図書館協力事業を立ち上げ/マレーシアで講習会を実施
2.不思議な国 トンガ王国
信号や標識がまったくない/トンガの食生活/トンガの視覚障害者事情
3.幸せの国ブータンはほんとうか?
厳しい入国手続き/「あなたは幸せですか?」/ブータンの視覚障害者は200人?/日本料理店での送別会
4.世界盲人連合アジア太平洋地域協議会モンゴル総会に出席して
アジア太平洋地域での開催状況/2018年モンゴルの首都で総会開催/マラケシュ条約や職業問題などが議題に
第2章 点字の動向
1.6点式点字の開発者ルイ・ブライユの生誕200年祭
12点点字を改良し、6点点字を開発したブライユ少年/パンテオンに安置されたブライユの遺骨/石川倉次とブライユの生まれは50年違い/近年の「点字離れ」について
2.世界点字協議会の復活
アジア太平洋の代表として世界点字協議会に出席/第1回会議(2009年11月 スペイン・マドリッド)/第2回会議(2011年1月 インド・デリー)/第3回会議(2011年10月 ドイツ・ライプチッヒ)/統一英語点字について
3.点字21会議が盛況に
2011年9月ライプチッヒで開催された点字21会議/パネルディスカッションで高橋玲子さんが発表/デイジーで点字を教えるドイツとオーストラリアの事例発表/「21世紀に点字は生き残れるか?」というイギリスの発表/薬箱に点字をつける課題
第3章 ドイツでの出会い
1.オットー・ヴァイト盲人作業所を訪ねて
ユダヤ人の障害者を雇い、命を守ったオットー・ヴァイト/インゲ・ドイチュクローンさんが語るオットー・ヴァイト/アナキストとして活動していたオットー・ヴァイト/ベルリン市内のあちこちに残る「つまずきの石」
2.サイトシティ(盲人用機器展)
2018年4月のサイトシティに3年ぶりに参加/国際色が豊かになったサイトシティ/ドイツのおいしいシュパーゲル
3.クルト・マズア追悼演奏会
マズアの死を悼む聴衆たち
第4章 アジアとの連携
1,日中友好40周年記念視覚障害者文化交流プロジェクト
世界で最も大きい中国の盲人図書館/中国の映画にも音声解説を/日中友好行事が政治情勢の影響で中止に
2。万博史上初の障害者パビリオン生命陽光館
「より良い都市、より良い障害者の生活を」/中国版「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」も/2025年の大阪万博に期待すること
3.ボルネオのへき地に行く
日本人がマレーシアに建てた「調和」という名称の施設/中澤健さんがマレーシアで活動を始めた理由/電気も通じていない森の中の施設
おわりに
◎著者プロフィール たなか・てつじ
1934年生まれ。1955年早稲田大学理工学部建築科に入学。在学中に失明し、国立東京光明寮であんま、はり、きゅうを学ぶ。その後復学し、1960年早稲田大学第二文学部英文科卒業。同年、埼玉社会保険中央病院整形外科機能訓練室に勤務後、1969年東京都心身障害者福祉センター視覚障害科に転職。1991年から社会福祉法人日本点字図書館に奉職し、館長、理事長を経て、2022年より同図書館会長を務める。
おもな著書に、『不可能を可能に―点字の世界を駆け抜ける』(岩波新書 2015年)がある。