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白い杖、空を行く

★2022年9月15日発売★
A5判・164ページ
ISBN978-4-902666-43-7

田中徹二・著
(社会福祉法人日本点字図書館会長)

「私は、全盲の視覚障害者だ。視力を失って60年以上が過ぎた。(略)私の年代になると、海外旅行に全盲者が一人で出かけるという環境はなかった。かつて私は団体旅行には参加したが、一人で飛行機に乗ったのは、1998年、チェコからハンガリーに出かけた時の1回だけだ。それが美織と結婚してから海外に出かける機会が増えたわけである。この20年、一緒に旅した国や都市はどれくらいになるだろうか。数えてみたら49か国・地域にのぼる。訪れた都市は100以上になることは確かだ。」
 社会福祉法人日本点字図書館の館長、理事長を経て、現在会長を務める著者が、ヨーロッパ・アジアなどの各国を訪問し、国際会議への出席、視覚障害者へのICT講習を開催するなど、さまざまな国際協力を立ち上げていくまでのプロセスを紹介するとともに、その土地で暮らす人々との交流や、食事や文化に関するエピソードも盛り込まれたエッセイです。写真も豊富に掲載。
 SDGsの重要なキーワードになっている「誰ひとり取り残さない」ための国際協力事業のあり方を考える際、多くの示唆を与えてくれる1冊です。
 

白い杖、空を行く
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白い杖、空を行く
商品コード: 1043

白い杖、空を行く

販売価格:¥1,980 税込
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【もくじ】
第1章 私の国際協力事業
1.国際協力活動の原点
国際協力事業の魅力を教えてくれた井口淳さん/ネパール盲人福祉協会に足踏み式点字製版機を寄贈/点字教科書で勉強した全盲学生 400 人が教師に/日本点字図書館が、アジア盲人図書館協力事業を立ち上げ/マレーシアで講習会を実施

2.不思議な国 トンガ王国
信号や標識がまったくない/トンガの食生活/トンガの視覚障害者事情

3.幸せの国ブータンはほんとうか?
厳しい入国手続き/「あなたは幸せですか?」/ブータンの視覚障害者は200人?/日本料理店での送別会

4.世界盲人連合アジア太平洋地域協議会モンゴル総会に出席して
アジア太平洋地域での開催状況/2018年モンゴルの首都で総会開催/マラケシュ条約や職業問題などが議題に

第2章 点字の動向
1.6点式点字の開発者ルイ・ブライユの生誕200年祭
12点点字を改良し、6点点字を開発したブライユ少年/パンテオンに安置されたブライユの遺骨/石川倉次とブライユの生まれは50年違い/近年の「点字離れ」について

2.世界点字協議会の復活
アジア太平洋の代表として世界点字協議会に出席/第1回会議(2009年11月 スペイン・マドリッド)/第2回会議(2011年1月 インド・デリー)/第3回会議(2011年10月 ドイツ・ライプチッヒ)/統一英語点字について

3.点字21会議が盛況に
2011年9月ライプチッヒで開催された点字21会議/パネルディスカッションで高橋玲子さんが発表/デイジーで点字を教えるドイツとオーストラリアの事例発表/「21世紀に点字は生き残れるか?」というイギリスの発表/薬箱に点字をつける課題

第3章 ドイツでの出会い
1.オットー・ヴァイト盲人作業所を訪ねて
ユダヤ人の障害者を雇い、命を守ったオットー・ヴァイト/インゲ・ドイチュクローンさんが語るオットー・ヴァイト/アナキストとして活動していたオットー・ヴァイト/ベルリン市内のあちこちに残る「つまずきの石」

2.サイトシティ(盲人用機器展)
2018年4月のサイトシティに3年ぶりに参加/国際色が豊かになったサイトシティ/ドイツのおいしいシュパーゲル

3.クルト・マズア追悼演奏会
マズアの死を悼む聴衆たち

第4章 アジアとの連携
1,日中友好40周年記念視覚障害者文化交流プロジェクト
世界で最も大きい中国の盲人図書館/中国の映画にも音声解説を/日中友好行事が政治情勢の影響で中止に

2。万博史上初の障害者パビリオン生命陽光館
「より良い都市、より良い障害者の生活を」/中国版「ダイアローグ・イン・ザ・ダーク」も/2025年の大阪万博に期待すること

3.ボルネオのへき地に行く
日本人がマレーシアに建てた「調和」という名称の施設/中澤健さんがマレーシアで活動を始めた理由/電気も通じていない森の中の施設

おわりに

◎著者プロフィール たなか・てつじ
1934年生まれ。1955年早稲田大学理工学部建築科に入学。在学中に失明し、国立東京光明寮であんま、はり、きゅうを学ぶ。その後復学し、1960年早稲田大学第二文学部英文科卒業。同年、埼玉社会保険中央病院整形外科機能訓練室に勤務後、1969年東京都心身障害者福祉センター視覚障害科に転職。1991年から社会福祉法人日本点字図書館に奉職し、館長、理事長を経て、2022年より同図書館会長を務める。
おもな著書に、『不可能を可能に―点字の世界を駆け抜ける』(岩波新書 2015年)がある。
 

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