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本と視覚障害者をつないだ半世紀―近畿視情協の歩んできた道

★2024年1月10日発売★
半世紀にわたり、近畿地区の点字図書館と公共図書館、ボランティア団体がネットワークを組み、視覚障害者等への情報提供サービスを連携・協力して推進してきた近畿視覚障害者情報サービス研究協議会(近畿視情協)が2023年3月末日で解散しました。
加盟各館の点字・録音図書の書誌情報を共有するシステム「NLB」を構築・運用したり、加盟館の職員を対象にした各種研修会の開催、あるいは『視覚障害者サービスマニュアル』を発行したり、当時はまだ発行点数が少なかった「LLブック」に関する研究会を発足させるなど、いわゆる図書館における障害者サービスの先駆的な取り組みを実践してきた団体でした。
本書は、近畿視情協の51年にわたる歩みや成果などについてを、1冊にまとめています。

近畿視覚障害者情報サービス研究協議会(近畿視情協)編著
A5判・294ページ
ISBN978-4-902666-45-8

本と視覚障害者をつないだ半世紀―近畿視情協の歩んできた道
本と視覚障害者をつないだ半世紀―近畿視情協の歩んできた道
商品コード: 1045

本と視覚障害者をつないだ半世紀―近畿視情協の歩んできた道

販売価格:¥3,850 税込
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【目次より】
はじめに 竹下 亘
第1章 私と近畿視情協
(岩井和彦、川越利信、前田章夫、濱崎雄三、襟川茂、村井晶人、小林妙子、服部敦司、東 泰江、宮嶋昌代、正井和子)
第2章 近畿視情協が拓いてきた道
(杉田正幸、藤澤和子、立花明彦、野口武悟)
第3章 「視覚障害者サービスマニュアル」―Q&Aより抜粋
第4章 近畿視情協 活動年表・役員一覧(1974-2022)

【はじめに】※一部抜粋して転載いたします。
51年間の活動を支えて下さった皆様への感謝を込めて
近畿視覚障害者情報サービス研究協議会会長(2014~2022年度) 竹下 亘

 近畿視情協(近畿視覚障害者情報サービス研究協議会)が2023年3月末日で、51年間の歴史に幕を下ろすことになりました。近畿視情協は、近畿地区の点字図書館と公共図書館、ボランティア団体がネットワークを組み、視覚障害者等への情報提供サービスを連携・協力して推進し、特に点字・録音図書等に関する製作技術の向上と、多様な情報提供サービスの発展に多大な成果を上げてきました。
 近畿視情協は、1972年に「京阪神点字図書館連絡協議会」として4館でスタートし、1974年からは「近畿点字図書館研究協議会」(参加12館)として活動を本格化しました。
 この間、実際の活動としては、図書館サービス委員会、録音製作委員会、点字製作委員会がそれぞれ年に数回開催され、加盟館・団体の専門スタッフの情報交換や技術・知識の研鑽が図られました。また、毎年、100人以上の点訳・音訳ボランティアや職員が参加した「ボランティア・職員研修会」や、著作権法改正など、時宜に応じたテーマを取り上げた職員研修会等も開催されました。
 近畿視情協の具体的成果としては、図書館サービス委員会で点字雑誌の分担保存が話し合われ、バックナンバーについては共同利用するという取り決めを行ったり(1987年~)、録音委員会の下に専門図書音訳チーム(英語・理数・パソコン・東洋医学・古典)が発足し、勉強会の開催とともに、専門雑誌の製作や共同製作が行われてきたことが挙げられます。また、1995年には「これから始める図書館のための視覚障害者サービスマニュアル」を編集・発行し(その後、2006年には『視覚障害者サービスマニュアル2007』を改訂・発行)、全国の公共図書館で障害者サービス導入のマニュアル本として活用されてきました。
 特筆すべきは、加盟各館の点字・録音図書の書誌情報を共有するシステム「NLB」(Network Library Service for the blind)を構築・運用し、加盟館で製作された点字・録音の新刊書籍を追加しながら、館間貸借に活用されてきたことです。加盟館には毎月、NLBの書誌情報を編集した「近畿視情協点字図書・録音図書新刊案内」が冊子版とCD版で配布され、CD版はそのまま貸出用録音図書として利用者にも提供されてきました(2021年8月号まで)。NLBは「サピエ図書館」の前身と言っても過言ではないようにも思われます。
 近畿視情協は、2019年に「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(読書バリアフリー法)が成立・施行するはるか以前から、その理想の実現を目指してきました。今日、国がようやく動き、視覚障害者をはじめとする読書困難者に対する読書バリアフリーの基盤整備がなされようとしている時期に解散するのは非常に残念ですが、読書バリアフリー法の施行とサピエ図書館の発展によって歴史的使命は果たされたという判断と事務局の継続的運営の困難により、2022年度末での解散が決まりました。
 今後は、「全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協)近畿ブロック」が近畿視情協の活動の一部を引き継ぎ、サピエに加盟する近畿圏の公共図書館等とともに、視覚障害者等への情報提供サービスの向上に努めることになります。
 最後になりましたが、51年間にわたり、近畿視情協を支えて下さった数多くの職員、ボランティア、利用者の皆様に心からの感謝を申し上げて、締め括りのご挨拶とさせていただきます。

ようこそ
有限会社読書工房

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