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「はじめに」から
　本書は、旧著『読み書き障害のある子どもへのサポートQ＆A』に新たな内容を追加・修正し、題名も改めたものです。旧著は2012年に出版されました。旧著の出版から10年が経過し、読み書き障害に関連してさまざまな変化がありました。障害者差別解消法の施行と改正、学校の授業や入試での読み書き障害のある子どもへの合理的配慮の提供、既存の読み書き検査の改訂や新たな検査の発売、読み書き障害に関する書籍の数多くの出版などです。
　しかし一番大きな変化は、タブレットPCやスマートフォンなどのICTを活用した支援ではないでしょうか。旧著を出版した頃は、ICTを活用した読み書き支援はまだまだ多くの人に知られておらず、旧著がICTによる支援に関して情報提供をしている数少ない書籍の１つでした。（略）
　そこで、本書を執筆するにあたっては、ICT関連情報の更新に力点を置きました。しかし、それだけではなく、読み書き障害に関連する情報をできる限り新しいものにすることを心がけました。また、共同研究者であり共同臨床家である平林ルミ氏による、１人１台となったICT端末を読み書きが苦手な子どもの学びのツールにするための説明を、１つの章として加えることができました。（略）